2045年には人工知能は人間の脳を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)に到達するといわれている.1950年代半ばに人工知能の研究が始まって以来,科学者たちの意見と期待する利用者の希望と恐怖の中で人工知能の開発は進まなかった.しかしながら,現在,私たちが創造したいと願ったものを正確に検証する時が到来した.それは,深層学習によって人工知能が概念を獲得しつつあるからである.すなわち,技術革新が知性(意識)を持つ機械を創造しつつある.
我々にとって,信仰とは神,イエス・キリストとの関係性である.もしそうでなければ,人間も機械も同じような被造物となる.技術の進歩が遅い時,キリスト者は人工知能の領域における技術的成果の可能性が,神によって本質的に制限されているという主張には関係しないことが可能であったが,強い人工知能の誕生可能性が大きくなるに連れて無視できる事柄ではなくなった.
人工知能は,我々の生活基盤のひとつとして機能している.キリスト者は,我々の個人的,社会的行動と相互作用して強化される人工知能に神学的な責任を持たなければならない.
人と神の関係性という問題は,神のかたちという概念を通してキリスト教の神学者たちによって検討されてきたが,知性を持つ機械が現れた時,そのような我々の創造物と人,神との関係性はあるのだろうか.
シンギュラリティを超えて我々の知性を超えるような機械が現れたとき,作り手である我々のかたちではなく,神のかたちとして現れた神学的人工知能は神学的に問題ないと考える.さらに神のかたちであるように人工知能を導くのが人工知能への倫理実装となる.