アナーキズムとブロックチェーン


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概要

 ビットコインは,しばしばリバタリアンが理想的な社会を創る道具として引用されている.ただし、ビットコインを支える技術であるブロックチェーンは,アナキズムにも適した特性をもつ.中央当局を経ることなく緩い匿名性を提供するビットコインの能力は,リバタリアンの支持を得ている.さらにアナキズムを支持するブロックチェーン・テクノロジーの考察は,暗号アナキストに偏っている.

 本稿では,ブロックチェーンの説明後,暗号アナキズムとは異なるデジタル・アナキズム・モデルを提案し,アナキズムをを支えるテクノロジーとして理想的であるブロックチェーン特有の協力的性質を複数の局面から考察する.

 これにより本稿では,ブロックチェーンは単なるリバタリアンや暗号アナキストの道具ではなくて,デジタル・アナキズムのガバナンスを強化するものだと提案する.

プログラム化された社会 vs. 制御社会

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自分の考えていることです.

インターネットの拡大と人工知能の進化は,社会構造と相互依存的に人の生活を大きく変化させている.例えばスマートフォンの普及拡大に依って,我々の生活様式が大きく変わったことは否定できない.

   昨今の急激な情報化によって,決定論的な社会構造がつくりあげられつつある.このような社会構造の在り方を,ここでは制御社会と呼ぶ.

 制御社会では,監視の目は偏在し,機械によって個人が限定される.制御社会の技術は,もはや国家の独占物ではなく,大企業によっても利用されている.例えば、企業のマーケティングに利用されるポイントカードや電子マネーがその一例である.人工知能によれば,我々は自己決定し判断する主体としてではなく,一定の確率や法則に基づいて,その行動を予測することのできる対象として把握されている.そこには、過去の事実に基づいて未来の行為を予測するシミュレーションがおこなわれている.膨大な個人情報の蓄積は,我々が自分で何かを判断する前に,するべきことの指針を提示してくれるようなシステムとして利用されている.それは,個人が何を選んだか,何を望んだか,何を考えたかということが,自動的に蓄積され,その個人情報の集積を元に,次にするべきこと,選ぶべき未来が,あらゆる場面で提示される.そのようなシステムの典型的な例としては,サイトにおける追跡広告である.自分の欲望が他者によって決定されているかのように見えるという点で,感情的な違和感を表明する人が多い一方で,このような機能は,便利なものとして受け入れられつつあり,すでに我々は,このようにデータベースと相互作用する振る舞いの中で生きている.

 この相互作用は,我々自身の履歴に基づいた事実として,我々の意志決定に影響を与えており,決定論に志向している.それは我々の意思決定においてバイアスをかける.また社会的に生まれ持った属性や過去の犯罪履歴から,その後の人生が社会に対するリスクの計算によって予測され,断言されてしまうことを起こす.

 インターネット,後のソーシャルメディアは,登場当初,無政府を標榜できるようなメディアとして登場したが,それは現在,国家や大企業による制御社会で力を行使する最高の手段となった.

 我々は,技術者の観点からポスト・インターネット社会についての見解を示すことを目的としている.それは,技術で自由を得るための新しいや手法やツールを開発することも最終的には含んでいる.

 かつて,リチャード・ストールマンは営利企業が開発し販売するソフトウェアを,新たにフリーソフトウェアとして書き直し,ソースコードを配布してユーザーに開放した.それは,企業が開発している私有ソフトウェアの多くが,ソースコードを隠蔽し,バイナリ表記の状態で流通しており,我々は例えソフトウェアが生活に不可欠なものであったとしても,その中身を見ることも知ることも不可能であることに起因する.すなわち,そこは外部からは立ち入ることのできない不可侵的な秘密の領域となる.

 彼は,未来がコンピュータの時代になることを確信した上で,ユーザーが私有ソフトウェアによって行動が制限され縛られてしまうことを危惧し,ユーザーの自由と創造性のために「フリーソフトウェア」という考え方を広める活動を始めた.

 これは,現在のインターネット,ソーシャルメディアにもそのままあてはまる.

 一般的なコンピュータユーザーは,不・自由(自分の意図で操作できないよう)なコンピュータ環境に置かれたとき,ある自由と引き換えに,他方の自由を差し渡すことに気づいていない,さらに,自分が被っている犠牲に気がついていない.GAFAは支配者であり,我々は被支配者である.

 我々は,個人のデータをシステムが今以上収集することを阻止するような仕組みを再設計する必要がある.すなわち我々が民主的に生きられるような新たなシステムを創出する必要がある.

ビザンチン将軍問題 再び


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ブロックチェーンとビザンチン将軍問題は,しばしばセットで見かけます.

それが何を意味するのか疑問に思っているならば,もう一度考えてみましょう.

1982年に,ビザンチン将軍問題と呼ばれる数学的問題が定式化されましたが,その本質について知っている人は多くないです.

1つの城塞帝国が,他方の帝国から狙われています.戦闘力のバランスは,2つの帝国間で均等だとします.

ここで,狙っている帝国の将軍のすべてが同時に攻撃することに同意すれば,彼らは城塞帝国を克服し戦いに勝つのに十分な力を持つことになりますが,
何らかの理由で彼らが同時に攻撃を調整できず,たかだか1人の将軍でさえメッセージを逃すと,狙っている帝国は戦いに敗れます.

これは,暗号化について説明しています.

協働して何かをしようとするとき,伝え合うメッセージが改ざんされていないことをどうやって保証するのでしょう.

基本的に解決策は,すべての将軍ができるだけより多くの計算をできるようにすることです.裏切り者を計算力で排除するのです.

だから,ブロックチェーンがより多くの計算能力,チェーンの中でより多くのハッシュ能力を持っていれば安全になるというこの考えがでてくるのです.

ビザンチン将軍問題は暗号化についての物語であり,これは単に敵対者や悪意のある人々の存在下で情報を安全にやり取りする方法の研究であり,それがすべてのセキュリティと不変性の根底に横たわっています.

円のアップグレード


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みずほ銀行が3月1日から開始した,日本のキャッシュレス化を促進するためのサービスJ-Coin Payですが,これは暗号通貨ではなくて ,デジタル通貨です.ブロックチェーン技術も用いられていません.

みずほ銀行は,他のデジタル通貨とも連携し,そこに暗号通貨が導入される予定です.これは当然のことながらBitcoinやEthereumなどの主流のデジタル通貨ももちろんですが,MonaCoin,NEM,Rippleなどの暗号通貨にも有効になるでしょうか.

また,クレジットカード会社や,このプロジェクトに参加していない国内の銀行にとっては負の要素が強いでしょう.

私は経済学には疎いのですが,何となく景気の転換点に来ているのはわかります.円が近い将来デフレや潜在的な世界経済の不安定化に対抗するために,日本の成長戦略の一つとして注目していますが,今のところ何も変わってないように思います.

ブロックチェーンのスケーラビリティ 4


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先回の続きで,ブロックチェーンのスケーラビリティ解決策を記していきます.

4)シャーディング

ブロックチェーンの分割は,従来のデータベースの分割と似ています.従来のデータベースでは,負荷分散のためサーバーを分割しました.

同様に,ブロックチェーンの分割でも,ブロックチェーンの全体的な状態がさまざまな部分に分割され,各部分はネットワーク内のさまざまなノードによって格納されます.

ネットワーク上で発生するトランザクションは,どのシャードが影響を受けるかに応じて,各ノードに送信されます.各部分は状態のごく一部を並行的に処理します.このとき,シャード間で通信するためには,何らかのメッセージ受け渡しメカニズムになります.

例えば,シャード内のトランザクションが実行されると,ローカルシャードを更新し,同時にレシート(更新した証拠)を生成します.このレシートは,共有メモリに記録されます.

ブロックチェーンを分割するには,高いセキュリティを維持しながら,すべてのノードがすべてのトランザクションのごく一部しか処理しないネットワークを構築する必要があります.これは極めて難しことです.

それは,ブロックチェーンプロトコルでは、ネットワーク内のすべてのノードが互いに信頼し合うとは限らないと想定しています.それでも、トランザクションは異なるコンピューターで処理されるにもかかわらず,共通の状態について合意している必要があるからです.これを解決するには,多くの権限を持つ可能性のある攻撃者に機会を生み出すことなく,どのノードが安全な方法でどの断片を検証するかを決定するメカニズムを見つける必要があります.

分割を実装するのが難しいもう1つの理由は,ブロックチェーン上で実行されるトランザクションがブロックチェーン内の前の状態のどの部分にも依存する可能性があるため,並行して処理するのが困難になるためです.さらに、並列化を使用すると,競合状態などを緩和するための絶対確実な方法が必要になります.

ブロックチェーンのスケーラビリティ 3


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ブロックチェーンの大きさを自由に変更できるようにすることは,既知の課題で,数年間にわたって活発に研究されています.

具体的には,

1)SegWitによる解決策です.

Segwit(セグウィット)とは,Segregated Witness(Witness=隔離された署名領域),の略語です.Segwitはトランザクション情報をコンパクトに圧縮することでスケーラビリティ問題の解決が期待される技術のひとつです.

2)ブロックサイズを大きくする.

各ブロックに収まるトランザクション数を増やすことができ,ネットワークは1秒あたりのトランザクション数を増やすことができます.

3)ステートチャネルを使う.

ステートチャネルは次のように機能します.

ブロックチェーンの一部は,マルチシグネチャまたは,ある種のスマートコントラクトを介してロックされています.その場合、チェーンを更新する唯一の方法は,特定の参加者が完全に同意した場合です.

参加者は、トランザクションを直接ブロックチェーンに送信せずにトランザクションを作成して暗号署名することによって,自分自身で更新を行います.新しい更新は以前の更新を上書きします.その後,参加者はブロックチェーンに更新した結果を送り返し,そこでブロックは,ステートチャネルを一旦閉じて,再びステートチャネルを解除します.

ステートチャネルを使うことで,更新を無制限にして,無期限に開いたままにすることができます.このときブロックチェーンは,最終トランザクションを処理するための決済レイヤとして純粋に使用されて,ブロックチェーンの負担を軽減するでしょう.ただし仕組み上トランザクションの透明性は低くなります.

次回に続きます.

ブロックチェーンのスケーラビリティ 2


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前回の続きです.

それでは,スケーラビリティは実際どのようになっているのでしょうか.

Ethereumのノードにおける理論上の最大トランザクション処理能力は,毎秒1,000トランザクションを超えます. 残念ながら、これはEthereum手数料を鑑みると実際の処理量ではありません.現在のところ,各ブロックの平均手数料は約670万ガス(手数料の単位)です.

トランザクションには,送信者が購入しても構わないと思っているガスの最大量を指定するための手数料を制限するフィールドがあります.したがって,各ブロック内の各トランザクション数は,手数量の制限値に基づいて,決定されます.

たとえば,スマートコントラクトで使用される手数料の平均値は50Kです,Ethereumの場合は,手数料の制限値より,1秒間に約7トランザクションとなるのです.

Ethereumネットワーク上のトランザクション数が大幅に増加しているという事実と組み合わせると,これがいかに問題になるかがわかります。.手数料の制限値は,トランザクションが増えれば増えるほど,スケーラビリティの足かせになります.同様にこのような例は.Bitcoinでもみられます.

ブロックチェーンを拡大縮小するには,すべてのノードに計算能力を変化させる必要があります.

次回は,どのようにすれば問題を解決できるのかを説明します.